今回は、”このままでは日本のソフトウェアはダメになる”を読んでの感想です。
★ このままでは日本のソフトウェアはダメになる
ゲームソフトと組み込みソフトを除くソフトウェアの貿易特化指数は2000年で-0.98である。この指標は+1と-1の間に収まり、-1に近いほど競争力がないと判断される。したがって、日本のソフトウェアはまったく国際競争力がないことになる。
こうした数字は「外国のソフトウェアに比べて日本のソフトウェアの品質や性能が著しく劣っている」あるいは「同程度の品質・性能であれば日本のソフトウェアは価格が高い」ということを意味する。つまり、日本のソフトウェアは設計や品質管理が悪くて粗悪品になっているか、ソフトウェア産業における労働生産性が低くて割高なものになっている、あるいは両方だということになる。
確かに日本のソフトは国際競争力が弱いのは同意できる。しかし、果たして、品質や性能は著しく劣っているのだろうか?また、労働生産性が低くて割高になっているのだろうか?個人的には、前者は、同意できない。後者であれば、ある程度は同意できるが。
前者のこの推測を反証するMIT Sloan School of Managementの教授であるクスマノ先生の論文が有ったので引用する。
MITのクスマノ博士が、日本のソフトウェア技術に関する研究成果を発表して以来、米国では日本の強い経済力に関するイメージからか、『ソフトウェア技術においても日本の方が進んでいる』と漠然とした印象をもっている人が多い。クスマノ博士は、『日本のソフトウェア生産性は米国の2倍、品質は米国の4倍である』と報告した。
日本の弱点は、プロダクトマネージメント力にあるように思う。品質が優れているのは、必ずしも良い事ではなく、顧客の求めるレベル以上に品質を作りこんだ場合、コスト競争力の低下を招き、製品全体としてのマーケット力を下げている。この現状を、私は、個人的に"過剰品質"と呼んでいる。
新しい技術は、常に米国にあったので、それを捜しだし、実験し、応用し、現実にあうように改善すれば良かったのである。従って、米国の研究者やソフトウェア技術者と議論し、アイデアを固めてゆき、何か新しいものを作り出してゆくような訓練を受けていないのである。議論ができなければ、優秀な研究者や技術者を使って、新しいものを生み出すことも困難である。『アイデアが示されたとき、それを何かに役立てようと考える』ことと、『ある問題を解決するために、何が必要かを考える』こととでは、後者の方が時間が掛かるし、はるかに困難である。
以下、ご参考。
★ ソフトウェア・ベンダにおけるプロダクト・マネジメントとは
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篁ヤ
BOXER*の小川さんが、イントラブログを提唱している。
(*)BOXERとは、日立製作所による国内の中堅・中小規模の企業や教育機関などを対象にした企業内のイントラネットを、ブログベースで構築するサービスだ。