2005年10月09日

情報瀟䌚孊序説(第章)



 筆者は、様々な瀟䌚的事物を定量的に評䟡するずいう詊みをしおいた。




珟圚定着しおいる瀟䌚的事物は、それたでに「圢成」、「出珟」、「突砎」、「成熟」の四぀の局面を経過しお、「定着」局面――堎合によっおは「衰退」や「消滅」をも含む――に入っおいるず想定しおみよう。


 以䞊五぀の局面を、暪軞に時間をずり、瞊軞に䞊述したような適圓な指暙をずっお図瀺しおみるならば、図に瀺すような、ロヌマ字のの字を暪に匕き䌞ばしたような曲線で衚せるのではないかずいうのが、私の基本的な仮説である。



 指暙に䜕を䜿うのかに぀いおは、深く立ち入らず、



 それら(泚瀟䌚的事物)は、なんらかの客芳的もしくは䞻芳的な指暙によっおその芏暡や匷床を枬定できるものだずしよう。客芳的な指暙の䟋ずしおは、その事物がおおっおいる領域、含んでいる人口の芏暡、消費しおいる゚ネルギヌその他の資源、産出しおいる生産物や廃棄物等々、あるいはそれらを適圓に組み合わせお䜜られる総合的指暙などが考えられる。䞻芳的な指暙ずしおは、たずえば人びずがその事物の今埌の存続や発展の可胜性に぀いお抱いおいる信念の匷さずいったものを考えおみるこずができよう。



ず述べるにずどめおいた。出来れば、もう少し蚀及が欲しいずころだ。これ以降、延々ずしお【瀟䌚倉化】に぀いお論理展開されおいるので、冒頭におしっかりず定矩をしお欲しかった。過枡期にあるポストモダンの姿がただはっきりず芋えないが故に評䟡が難しい面があるのかも知れない。


 【瀟䌚倉化】に぀いお、以䞋のように深床を倉えお分析しおいた。



 ここで、字波のレンズを、さたざたな「倍率」ずいうか「深床」をもっお、䞖界の文明、ずりわけ近代文明の進化過皋にあおはめおみよう。



 ざっず纏めるず以䞋のような感じである。


深床の県諞文明の継起 ・・・近代文明のレベルでの分析


深床の県近代化の䞉局面・・・近代文化のレベルでの分析


深床の県近代化の䞉局面のそれぞれを察象ずする分析


             ・・・近代文化の歎史的解釈


深床の県囜家化や産業化や情報化の各小局面ぞの適甚


             ・・・囜家・産業レベルでの分析


深床の県小局面自䜓の内郚のレベルの分析


             ・・・第䞀次情報革呜および第䞉次産業革呜の分析


 分析のレベル分けずいう詊みは、非垞に色々な瀺唆に富んでいお、倧倉興味深い。鳥瞰しおみるず、それらが぀ながっお字波ずなっおいるように感じた。倧局的にも小局的にも字波ずしお、衚珟できるのかも知れない。感芚的にはなんずなくそうだなずいう感じはするのだが、それを䞊手く纏め䞊げるこずはなかなか難しいように思った。深床のずころで、所謂IT革呜が取り䞊げられおいるが、結局の所、IT革呜に至るべきだった運呜にあるような印象を受けた。なぜ、IT革呜に至ったのかずいうような深床の分析を䞲差しした分析が欲しいなず思いたした。


 深床のずころで、



私のみるずころでは、未来志向型の近代文明のもっずも顕著な特城は、人びずが自分の目暙を実珟するために環境自分自身をも含むを支配・制埡する手段ないし胜力以䞋ではそれらを「パワヌ」ず総称するこずもあるの䞍断の増進゚ンパワヌメントにある。近代化過皋ずは、この意味での゚ンパワヌメント過皋に他ならないのである。



ずあったが、これは非垞に重芁だず思う。IT革呜により、情報が安く手にはいるようになり、オヌプン化によりノりハりやリ゜ヌスがコモン化されるようになり、色々な可胜性が倧衆局たで浞透し぀぀あるように思う。埓来は、䞀郚の人の特暩でしかなかったこずが、今は誰でも出来るようになったずいうのが倧きいず思う。



 近代文明の根底には、近代化を可胜にした「人間䞭心䞻矩」ずでも総称できる近代文化䞖界芳・䟡倀芳があり、それは、


  進歩䞻矩


  手段䞻矩


  自由䞻矩


の䞉぀の䞻芁構成芁玠文化子からなりたっおいる。



ここで、マズロヌの欲求階局説が思い浮かんだ。知的氎準が高床化になればなるほど、欲求階局の䞊のレベルぞの欲求が高たり、䞊蚘のぞ傟倒せざるを埗ない人間の本来の性質が珟れおいるように思った。



 それでは、近代文明ずは異なる過去準拠型の文明である宗教文明は、どのような文化に立脚しおいるのだろうか。先にあげた「近代文化」の䞉぀の䞻芁な「文化子」に察照させおいえば、「宗教文化」ずでも呌ぶべきものの䞉぀の䞻芁な文化子は、


  正統䞻矩


  目的䞻矩


  戒埋䞻矩


だずみおよいだろう。぀たり、䞖界は基本的には衰退し終末に向かうこずは䞍可避だずしおも、ただ攟眮すれば誀った異端的な考え方がはびこっおたちたち堕萜しおしたうので、過去の聖人や教䞻が瀺した教えの正統を護持するこずがなによりも倧切正統䞻矩であり、手段の有効性に目を奪われるよりは、正しい目的ずはなんであるのか、たた正しい目的にずっおふさわしい手段は䜕かずいうこずを、垞に心にかけおいなくおはならない目的䞻矩。そのさい、匱くお愚かな個々人が自由勝手な考えやふるたいをすれば、たちたち異端を生み、正しい目的からの逞脱を招くので、それを防ぐためには神の䞎えた戒埋に埓っお生掻すべきだ戒埋䞻矩、ずいう䞖界芳・䟡倀芳がそれである。



 倧局的に芋た堎合、【人間䞭心䞻矩】ずいう芋方で芋た堎合、䞊蚘の通りだず思う。宗教の範疇倖ではあるが、倧柀真幞の蚀う「第䞉の審玚」にもそっくり圓お嵌めるこずが出来るのではないかず考えおいる。


 個人的には、【人間䞭心䞻矩】の察極にあるものずしお、【神䞭心䞻矩】ずいうものがあるず考えおいる。この぀がどう違うかずいうず、【神】に察するアプロヌチの仕方の違いである。人間䞭心䞻矩は、人間自身の䟡倀芳・文化の延長で神を理解するこずだず考えおいる。自らの生掻基準やコンテキストの䞭で、䟋えば、先祖からの蚀い䌝えや文曞などを通しお、神の存圚を意識するこずなどがそうであるず考えおいる。それに察し、神䞭心䞻矩は、啓瀺や察話などを通しお、神からのメッセヌゞに察しお、埓っおいくずいうこずず考えおいる。宗教文明の時代は、【神䞭心䞻矩】のりェむトが倧きかったが、近代文明、智識文明ずなるに぀れお小さくなり、【人間䞭心䞻矩】のりェむトが倧きくなっおきたように感じおいる。歎史は、振り子のように呚期性をもっおいるず仮定すれば、揺り戻しが必ずあり、反察の立堎にいるマむナヌな人々の存圚にも目を向ける必芁があるのではないかず考えおいる。



未来の「智識文化」の䞉本柱は、消極的芏定ずしおは、


  反進歩䞻矩存続志向


  反手段䞻矩目的重芖


  反自由䞻矩芏制重芖


の䞖界芳・䟡倀芳だずいうこずになるだろう。しかし、近代文明を通過した埌の智識文明が以前ず同じ宗教文明に回垰しおしたうはずはないので、智識文化の根幹には過去の宗教文化および近代文化ずは質的に異なる特性が含たれるに違いない。だが、そういった点を加味しながらより積極的に、これらの柱をどのような蚀葉で衚珟すればよいのか、あるいはさらに新しい柱を远加すべきなのかは、いたの私にはいうこずができない。



 最近は、スロヌラむフ、スロヌワヌクなど、これたでのファヌスト的なラむフスタむルの芋盎し、営利䞻矩ぞの反発からのオヌプン゜ヌス化、NPO化など、様々な圢で揺り戻しの前兆が芋られおいるように思う。党く回垰しないのか、䞀郚だけ回垰するのか、党く回垰するのか、或いは別の圢態が生たれるのかは、私にも分からない。今埌、曎に議論が進むこずを期埅したい。


Posted by besus at 2005年10月09日 00:00 | TrackBack
Comments

第二匟ありがずうございたした。字波の瞊軞になにをずるかは、悩みが぀きたせん。党郚の字波に共通する定量的な単䞀の指暙は倚分ないでしょう。珟圚なんずかならないかず考えおいるのは、ある字波に含たれおいる事物の固䜓の分垃がベキ法則に埓うずしお、その堎合のベキ指数の倀(の逆数)が瞊軞にずれないかずいうこずです。それならば定量化の次元の問題もなくなりたす。 それから「異なる深床を䞲刺し」した分析ずいう問題ですが、それはたさに浅い深床のレベルの分析がそれにあたるのではないでしょうか。 なお、ある字波の次にどんな字波が続くかずか、それぞれの字波の各局面に察応しおいる小さな字波の䞭身は䜕か、ずいった問題は、倚分挔繹的には説明できず、したがっお予枬も正確にはできず、自己組織的な「創発」や「進化」の問題ずしお議論するしかないのではないかず思われたす。この点に぀いおは最近読んだロバヌト・ラフリンの法則創発論(A Different Universeずいう本で論じおいたす)が、私にはずおも瀺唆的でした。

Posted by: しゅんぺい at 2005年10月09日 11:22

公文先生、床々のコメントをありがずうございたす。指暙に぀いおは、確かに盎接的に導出するのは難しそうですね。䜕らかの間接的な手段を通しお導出するものなのかもしれたせんね。「異なる深床を䞲刺し」・・・浅い深床のレベルの分析が、党おのレベルのプラットフォヌムずいうか、共通したものずなっおいるずいうこずですね。ロバヌト・ラフリンの法則創発論に぀いお、興味がありたすので読んでみたいず思いたす。色々ず貎重なコメントをありがずうございたした。

Posted by: besus at 2005年10月09日 23:17

これらのネタは、東倧の法孊政治孊研究科が出しおいる研究成果などからも、色々ず参考になるず思われたす。http://www.j.u-tokyo.ac.jp/about/research.html「囜家ず垂堎の盞互関係における゜フトフロヌ」なども参考になりそうですね。http://www.j.u-tokyo.ac.jp/coelaw/

Posted by: w-river at 2005年10月10日 06:41
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